※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
大いなる遺産
(Great Expectations)
作品データ
2012年|イギリス|青春/ドラマ
監督:マイク・ニューウェル
出演:ジェレミー・アーヴァイン、ホリデイ・グレインジャー、
レイフ・ファインズ、ヘレナ・ボナム=カーター ほか
田舎の少年が、身分と恋に振り回される話
孤児として鍛冶屋に育てられた少年ピップは、ある日訪れた屋敷で美しくも冷たい少女エステラと出会う。その出会いをきっかけに、彼の中には「上流階級になりたい」という強い憧れが芽生える。やがて正体不明の後援者から多額の遺産を与えられ、ロンドンで紳士としての生活を始めるピップ。身分は上がったものの、心は満たされず、過去の自分や大切な人たちとの距離が広がっていく。恋と野心の間で揺れながら、彼は自分が本当に望んでいたものに向き合うことになる。
見栄っ張りで不器用な主人公と、近づけない相手
ピップは素直だけど、劣等感が強くて見栄を張りがち。
エステラは美しく聡明だけど、感情を抑え込むように育てられている。
二人の関係は惹かれ合っているようで、常にズレた距離感のまま進んでいく。
そこに関わる大人たちも、それぞれ過去の選択を引きずっている。
荒涼とした田舎と、きらびやかなロンドン
物語の前半は霧がかかった湿地帯や質素な家が中心。
後半はロンドンの社交界へと舞台が移り、服装も会話も一気に華やかになる。
でも場所が変わっても、ピップの不安や居心地の悪さは消えないまま続く。
憧れが強くなるほど、大事なものが遠ざかる
紳士としての生活に慣れるにつれ、ピップは過去を恥じるようになる。
支えてくれた人への感謝より、体裁や期待を優先してしまう場面が増えていく。
その選択が、後になって重くのしかかってくる流れになる。
明かされる後援者の正体と、価値観の転換
物語の終盤で、遺産の出所が明らかになる。
ピップが思い描いていた「成功」とは違う現実に直面し、
自分が誰を見下し、誰を大切にしてこなかったのかを突きつけられる。
そこから彼の視点は、大きく揺り動かされていく。
この映画のポイントなに?
成長物語だけど、成功してスッキリという流れではない。
身分やお金が、人の感情や関係をどう歪めるかが丁寧に描かれている。
暗めの映像と重たい空気が、登場人物の内面とよく重なっている。
たぶんこんな映画
キラキラした青春というより、後悔込みの成長の話。
若さゆえの勘違いや、取り返しのつかなさがじわっと残る。
観終わったあと、自分が何に憧れてきたのかを少し振り返りたくなるタイプの作品。

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