※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
ファム・ファタール
(Femme Fatale)
作品データ
2002年|フランス・アメリカ|サスペンス/スリラー
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:レベッカ・ローミン、アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ ほか
完璧に盗んで消えた女が、運命ごと追いかけられる話
物語はカンヌ映画祭のど真ん中で起きる大胆な宝石強奪から始まる。計画の中心にいた女ロールは、仲間すら出し抜いてダイヤを奪い、そのまま姿を消す。数年後、彼女は別人として生きているけれど、偶然撮られた一枚の写真をきっかけに、過去と現在が再びつながっていく。逃げ切ったはずの人生が、少しずつ歪み始める。
盗みの天才ロール、裏切り込みで消える
主人公ロールは、冷静で計算高く、危険な場面でも一切ブレないタイプ。強奪計画では完璧な動きを見せつつ、最後に仲間を切り捨てて一人勝ちを選ぶ。その判断が彼女の生き方そのもので、信頼や情よりも、自分が生き残ることを優先している感じがはっきりしている。
カンヌから始まり、舞台はヨーロッパへ
冒頭は華やかなカンヌ映画祭。その後、時間が飛び、舞台はパリ周辺へ移っていく。きらびやかな場所と、どこか影のある街並みが交互に出てきて、ロールの二重生活をそのまま映しているような空気が続く。
写真一枚で、過去が追いついてくる
平穏そうに見える生活の中で、偶然カメラマンが撮った一枚の写真が決定打になる。その写真を見た男が、かつての事件を思い出し、ロールの正体に近づいていく。逃げ切ったつもりの過去が、じわじわと現在に染み出してくる流れ。
運命が反転していく終盤
物語が進むにつれて、出来事が偶然なのか必然なのか分からなくなっていく。ロール自身も、自分が仕組んだはずの人生に振り回されているような状態になる。最後は現実と夢の境目が曖昧なまま、一気に着地していく。
この映画のポイントなに?
この作品、ストーリーそのものより「見る体験」が強く残るタイプ。映像のつなぎ方や視点のズラし方で、観ている側の感覚を揺さぶってくる。何が本当で、どこからが錯覚なのか、考え始めると面白くなってくる。
たぶんこんな映画
美しくて危うい人生を、少し引いた位置から眺めている感覚。運命を操っているつもりの人が、実は運命に試されている、そんな余韻が残る一本。

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