※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

アザーマン -もう一人の男-
(原題:The Other Man)
作品データ
2008年|イギリス・アメリカ|ドラマ/ミステリー
監督:リチャード・エア
出演:リーアム・ニーソン、アントニオ・バンデラス、ローラ・リニー ほか
亡くなった妻の秘密を、夫が一人ずつ拾っていく話
静かに暮らしていた男が、突然妻を失い、その喪失感の中で「妻には自分の知らない顔があったらしい」と気づいてしまい、そこから抜け出せなくなっていく始まり。
愛していたはずの相手が別人に見えてくる
建築家のピーターは、妻リサを事故で失う。深い悲しみの中、彼女の持ち物や行動を辿っていくうちに、リサが別の男と関係を持っていた可能性に行き当たる。ピーターは衝動的にその男ラルフを探し出し、接触する。復讐とも確認ともつかない目的で近づいたはずが、二人の関係は予想外の方向へ進んでいく。
静かに壊れていく夫の内側
ピーターは感情を表に出さないタイプ。妻を愛していたという自負がある分、裏切りの可能性を受け入れられず、確かめずにはいられない。相手を責めたいのか、真実を知りたいのか、自分でも分からないまま行動していく感じ。
もう一人の男は、軽そうで重い存在
ラルフは自由で社交的。ピーターとは正反対の性格で、最初は何も知らないふりをしている。ただ、話が進むにつれて、彼もまたリサとの関係に複雑な感情を抱えていたことが見えてくる。
ロンドンとパリをまたぐ記憶の断片
物語は主にロンドンを中心に、過去の出来事としてパリが関わってくる。現在と回想がゆっくり行き来しながら、リサがどんな生活をしていたのかが少しずつ浮かび上がる。
知りたくなかった事実が積み重なる
ピーターはラルフと過ごす時間の中で、妻が自分といる時とは違う顔を見せていたことを知っていく。会話の端々や行動から、二人の関係が一時的なものではなかった可能性も見えてきて、気持ちはさらに揺れる。
真実に近づいた先で立場が反転する
やがてピーターは、妻の秘密だけでなく、ラルフ自身が抱えている事情や嘘にも触れることになる。追い詰めているつもりが、いつの間にか相手の話を聞く側になり、自分の感情の整理を迫られていく。
答えよりも余韻が残る終わり方
最後はすべてが明確に説明されるわけではなく、ピーターが何を受け入れ、何を手放すのかが静かに示される。復讐や対決よりも、喪失と理解に焦点が移っていく形。
静かな会話で進む感情のミステリー
この映画のポイントは、大きな事件よりも人の気持ちのズレにあるところ。誰かを責める話というより、知ってしまった後どう生きるかを描いている感じ。
重たさはあるけど、淡々と流れる一本
全体として派手さはなく、会話と表情で進む作品。感情がじわじわ動いていくのを、少し距離を置いて眺めるような映画、そんな空気で終わっていく。

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