※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。
クイズ・ショウ
(Quiz Show)
作品データ
1994年|アメリカ|ドラマ
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ジョン・タトゥーロ, レイフ・ファインズ, ロブ・モロー, ポール・スコフィールド, デヴィッド・ペイマー ほか
クイズ番組で勝つために嘘を選んだ人たちが、全員ちょっとずつ負けていく話
1950年代、国民的クイズ番組の裏で仕組まれていた出来レース。勝者に選ばれた男、降ろされた男、真実を追う調査官。それぞれが「正しい」と思った選択を積み重ねた結果、番組も人生も、きれいに転ばない形で崩れていく。
ざっくり時系列
人気クイズ番組「21」でハービーが連勝
↓
スポンサーが見栄えの良い新チャンピオンを求める
↓
大学講師チャールズに不正の話が持ちかけられる
↓
ハービーが指示通りに誤答し、王座交代
↓
チャールズは不正を続け、国民的スターになる
↓
ハービーが八百長を告発するが封印される
↓
調査官ディックが不正に疑問を持ち捜査開始
↓
証言と証拠が揃い、スキャンダルが表に出る
↓
チャールズが公の場で不正を認める
物語の主要人物
・ハービー・ステンペル(ジョン・タトゥーロ)
最初のチャンピオン。番組の都合で降ろされる
・チャールズ・ヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)
新たに選ばれた英雄。不正を受け入れてしまう
・ディック・グッドウィン(ロブ・モロー)
八百長を追う調査官。知性と権威に惹かれていく
・ダン・エンライト(デヴィッド・ペイマー)
番組を仕切るプロデューサー
・アル・フリードマン(ハンク・アザリア)
視聴率を最優先する制作側の一人
テレビが夢を売り始めた時代の始まり
舞台はテレビが急速に家庭へ入り込んだ1950年代。高額賞金のクイズ番組は、知性と努力の象徴としてもてはやされていた。その裏で、番組はスポンサーと視聴率に強く縛られていた。
勝者を作るために仕組まれた不正
地味な見た目のハービーより、完璧な経歴と容姿のチャールズ。制作側は答えを教えることで、物語性のあるスターを作ろうとする。最初は拒んだチャールズも、正当化できる理由を与えられ、不正に足を踏み入れていく。
真実が暴かれても、後味は晴れない
調査が進み、証言と証拠が揃い、ついに不正は公になる。チャールズは自ら認め、制作陣は職を追われる。でも、誰も完全な悪役にも、完全な被害者にもならない。ディックだけが、テレビは生き残ると知って、重たい気持ちを抱える。
この映画のポイント
・実話ベースで描かれるメディアの裏側
・正しさより「選ばれること」が優先される構造
・善悪がはっきりしない人物描写
・勝った人間ほど、失うものが多い流れ
たぶんこんな映画
派手な告発劇というより、じわじわ効いてくるタイプ。誰か一人が悪いという話じゃなくて、時代と空気が人をそうさせた感じが残る。観終わると、テレビの「感動」にちょっと距離を置きたくなる映画。

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