※この記事には、作品の内容に触れる表現や
ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。

マンディ 地獄のロード・ウォリアー
(Mandy)
作品データ
2018年|ベルギー|アクション
監督:パノス・コスマトス
出演:ニコラス・ケイジ、アンドレア・ライズボロー、ライナス・ローチ ほか
静かな森で暮らしてた男が、世界の色ごと壊れ始める話
最初はびっくりするくらい静かで、時間もゆっくり流れてる。
そこに突然、理解不能な暴力が割り込んできて、男の中の何かが完全に切り替わる。
ニコラス・ケイジが、感情を言葉じゃなく行動で爆発させていく流れ。
平穏な生活が粉々になって、復讐だけが残る全体要約
物語は、森の奥でひっそり暮らすカップルの日常から始まる。
音楽を聴いて、本を読んで、外界と距離を取った穏やかな生活。
そこへ、奇妙なカルト集団が現れて、理不尽な形で日常が破壊される。
愛する人を失った主人公は、悲しみを処理する間もなく、復讐へと向かう。
ここから先は、感情と暴力が一直線につながった時間になる。
現実感が薄いまま生きていた主人公
ニコラス・ケイジの役は、寡黙で内向的な男。
怒りを外に出すタイプじゃなく、ずっと内側に溜めてきた感じがある。
だからこそ、何かが壊れた瞬間の振れ幅が異常に大きい。
正気と狂気の境目が、だんだん分からなくなっていく。
独自の世界観を持つ女性
アンドレア・ライズボロー演じる女性は、現実と幻想の間にいるような存在。
強くて優しくて、でもどこか浮いている。
彼女の感性や言葉が、この映画全体の色や空気を決めている。
失われた後も、彼女の影はずっと物語に残り続ける。
異常なカルト集団の存在
ライナス・ローチのカルト指導者は、自己陶酔と暴力が混ざった危険な人物。
信仰というより、歪んだ支配欲で人を縛っている。
理屈が通じない相手だからこそ、恐怖と不快感が強い。
ここで一気に、世界の歯車が外れる。
復讐が始まって、現実が歪んでいく展開
主人公は武器を手に入れ、自分なりの方法で追跡を始める。
ただの仕返しというより、怒りの儀式みたいな雰囲気。
時間感覚も色彩も音も、どんどん現実離れしていく。
観ている側も、どこまでが現実なのか分からなくなる。
暴力が神話みたいに積み上がっていく終盤
戦いはどんどん過激になるけど、テンションはずっと低いまま。
派手なのに、どこか沈んでいる。
敵を倒してもスッとする感じはなく、むしろ空虚さが増していく。
復讐そのものが目的になってしまった状態が続く。
最後は、感情だけが取り残される
クライマックスを越えて、物語は奇妙な静けさに入る。
世界は元に戻らないし、主人公も元には戻らない。
達成感より、「通り過ぎた」という感覚が強い。
終わったはずなのに、終わってない感じが残る。
この映画のポイントは、感情を映像で殴ってくるところ
説明は少なく、感覚に直接くる作り。
色、音、間、全部が感情の延長になっている。
ストーリーを追うというより、体験に近い。
たぶん、観終わったあとしばらく現実に戻りにくい映画
スカッとする復讐譚を期待すると、かなりズレる。
むしろ、悪夢を最後まで見届けた感じ。
好みは分かれるけど、強烈に記憶に残る一本かも。

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