ドッグ・イート・ドッグ

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ネタバレを含む場合があります。 未視聴の方はご注意ください。




ドッグ・イート・ドッグ [Blu-ray]
■主演:ニコラス・ケイジ×ウィレム・デフォー! 衝撃のバイオレンス・アクション! ニコラス・ケイジ主演最新作は、容赦のない暴力・破壊描写とブッ飛んだトリップ映像とが混然一体(カオス)となった、衝撃のバイオレンス・アクション! 共演は「スパイダーマン」シリーズのグリーン・ゴブリンでおなじみ名優ウィレム・デフォ...



ドッグ・イート・ドッグ
(Dog Eat Dog)

作品データ
2016年|アメリカ合衆国|クライムスリラー
監督:ポール・シュレイダー
出演:ニコラス・ケイジ、ウィレム・デフォー、クリストファー・マシュー・クック ほか

社会に戻りきれない男たちが、最後の仕事に手を出す話

出所したはいいけど、まっとうに生きる気も力も残っていない男たち。
そんな連中が集まって、「これが最後」と言いながら、また危ない橋を渡っていく。
ニコラス・ケイジとウィレム・デフォーのテンションが、最初から不穏で落ち着かない。

出所後の再会から、一気に破滅へ向かう

物語は、刑務所を出たばかりの男たちが再びつるむところから始まる。
仕事も居場所もなく、結局頼れるのは昔の犯罪仲間だけ。
彼らは大金が絡む誘拐計画を引き受けることになる。
計画自体は単純なはずなのに、準備段階からズレが生まれ、現場では想定外が連発。
一度転び始めた流れは止まらず、事態はどんどん取り返しのつかない方向へ転がっていく。

衝動で動いてしまう、危険な男

ニコラス・ケイジが演じるのは、感情のブレーキがほぼ壊れているタイプ。
突発的にキレたり、妙にハイになったりして、周囲を振り回す。
自分では自由に生きているつもりでも、行動はどこか自滅的。
チームの中で一番読めなくて、一番トラブルを引き寄せる存在。

経験だけは豊富な、年長の犯罪者

ウィレム・デフォーの役は、年季の入った元犯罪者。
理屈では危なさが分かっているのに、結局はこの世界から抜けられない。
若い頃の失敗も、長い刑務所生活も経験済みで、達観したような態度を見せる。
ただ、その落ち着きが逆に不気味さを増している。

立場の弱い三人目が、空気をさらに歪ませる

三人組の中で、一番立場が弱い男は、流れに逆らえない。
やめた方がいいと思っていても、口に出せずに従ってしまう。
この関係性が、計画をより不安定なものにしていく。
誰かが止めれば違ったかもしれない、という感覚がずっと漂う。

犯罪計画が崩れ、暴力が暴走し始める

誘拐は、思っていたより簡単には進まない。
相手の反応、警察の動き、仲間同士の判断ミスが重なって、事態は一気に荒れる。
冷静に対処する余地はほとんどなく、暴力だけが前に出てくる。
ここからは「修正」じゃなく「破壊」に近い流れになる。

逃げ場がなくなっていく終盤

問題を片付けようとすればするほど、状況は悪化していく。
誰を信じるのか、誰を切るのか、選択はどれも重い。
警察も迫り、仲間同士の関係も崩れていく。
破滅に向かって一直線なのに、止まる気配はない。

最後は、因果だけが残る

クライマックスでは、ここまで積み上げてきた行動の結果が一気に返ってくる。
救いがあるかどうかより、「こうなるしかなかった」という感覚が強い。
勝ち負けというより、終わりが来た、という区切り。
静かじゃないけど、妙に冷たい余韻が残る。

この映画のポイントは、救われなさを突き放す感じ

更生とか再出発みたいな話は、最初から期待されていない。
社会の外側にいる人間が、さらに外へ落ちていく様子をそのまま見せてくる。
暴力も感情も、かなり剥き出し。

たぶん、観終わったあと疲れが残る映画

テンポは早いのに、気持ちはずっと落ち着かない。
登場人物に感情移入しきれない分、距離感が逆に刺さる。
スッキリしないけど、妙に頭に残り続ける一本かも。

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